QUEEN『QUEEN Ⅱ』(1974)

 

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その名の通りイギリスが誇る世界的ロックバンド、クイーンの2作目のスタジオアルバムです。

 クイーンといえばボーカルであるフレディー・マーキュリーのハイトーンボイスが特徴的で、一度聴いたら頭から離れないというメロディーセンスあふれるバンドです。

代表曲にはWE WILL ROCK YOUWE ARE THE CHAMPIONSBOHEMIAN RHAPSODYが挙げられ、今なお世界中で圧倒的な支持を得ているバンドです。

そのクイーンによるこのアルバムは2作目であるにもかかわらず、クイーンの人気を早くも決定付ける作品となりました。

このアルバムがリリースされた1970年代のイギリスはまさにロックの新しい形が次々に打ち出された時期でもありました。

ビートルズが解散し、ハードロックやプログレが台頭。一方でパンクロックの勃興といったムーブメントが次々に巻き起こりました。パンクが流行したのは失業率が大幅に上がった当時の国内情勢ともリンクしています。

混沌の時代に産み落とされたこのアルバムは発売当初は話題を呼ばなかったものの、次第に評価をあげ、全英5位までチャートを駆け上がります。

このアルバムは当時流行していたプログレッシヴロックとハードロックの要素をふんだんに盛り込んだいわば教科書通りのアルバムです。

まず、冒頭は心臓音で幕を開けます。この表現方法は他のプログレアルバムにも散見されます。(ピンクフロイドの『狂気』など)

そして、5曲目のLOSER IN THE ENDまでが、ギターを担当するブライアン・メイによる楽曲群である‟サイドホワイト”、それ以降がマーキュリーがによる楽曲群である‟サイドブラック”と銘打たれているコンセプトアルバムです。

本作はこのように白と黒の世界、つまり「二面性」をテーマにしています。ジャケットもモノトーンです。

しかしいわゆるプログレほど難解ではなく、どちらかというとハードロック寄りで聴きやすい内容です。

プログレ特有の叙情的な内容を経て、ラストにSEVEN SEA OF RHYEというキラーチューンを持ってきます。

ここまで教科書通りにやられてしまうと、マーキュリーとメイという天才を前に他のバンドはなす術がありません。

メイによる自作のギター、‟レッドスペシャル”が奏でるギターリフは表現しがたい高揚感を誘います。この音とマーキュリーによる唯一無二のボーカルが織りなすが世界観はこのバンドの真骨頂でしょう。誰にも真似できません。

教科書通りのコンセプトを天才たちが表現するとこのアルバムが出来上がります。

 

 

色褪せないなぁ~。